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漢方偉人伝 徐春甫(じょしゅんほ)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 徐春甫(じょしゅんほ)」を公開しました!
徐春甫 ― 医師の倫理と学問を重んじた明代の名医
明代中国に、医学史を大きく変えた一人の医師がいました。
その名は 徐春甫。祁門出身の医学者で、病弱だった自身の体験から医学の道を志した人物です。

医学への道
名医・汪宦に師事し、内科・婦人科・小児科など幅広い分野を習得。
実践を通して学びを深め、のちに医学史に残る功績を築きました。
中国初の民間医学組織「一体堂宅仁医会」
1568年、徐春甫は 中国初の民間医学組織 を設立。
全国から46名の名医が集まり、医術の向上と医師の倫理向上を目指しました。
会員には 22項目の厳格な規則 が設けられ、
- 学問への誠実さ
- 患者への思いやり
が強く求められました。
現代の医療倫理にも通じる精神を、すでに500年前に提示していたのです。
著作『古今医統』
徐春甫の代表作が 『古今医統』。
- 全100巻、185万字に及ぶ大著
- 中国十大医学全書の中で最も早く完成
- 274名の医師の伝記と496種の医学書目録を収録
数千年にわたる医学の知識と歴史を集約した、まさに医学百科といえる書物です。
医学思想と実践
徐春甫は、
- 古い処方に固執せず、患者に合わせて薬を調整する
- 鍼灸と薬物治療の両方に精通すべき
- 診察を丁寧に行うことを最優先にする
といった実践的な医学を重視しました。
彼の理論と実践は後世に受け継がれ、現在でも中医学の根本的な考え方として息づいています。
まとめ
徐春甫は、
✔ 医学史を編纂した学者
✔ 医師の倫理を重んじた教育者
✔ 臨床を重視した実践家
という三つの側面を兼ね備えた稀有な存在でした。
その精神は、現代医療にも大きな示唆を与えてくれます。
西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、専門家にぜひご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


