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漢方偉人伝 王良璨(おうりょうさん)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 王良璨(おうりょうさん)」を公開しました!

【歴史探訪】たった39方から399方を生み出した天才医師 ― 明代の王良璨と『小青囊』

中国明代、医家 王良璨(おう りょうさん) が著した『小青囊(しょうせいどう)』は、
わずか39の基本処方から、実に399もの応用処方を体系化した驚異の医学書として知られています。


◆ 万暦年間に生まれた実践医書

『小青囊』は明の万暦年間(1573〜1620年)に編纂され、全10巻から構成されています。
特に前半8巻の「附方」は圧巻で、臨床で頻繁に用いられる39の基本処方
を中心に、
それぞれの方剤の応用方法を詳細に解説しています。


◆ 基本処方を極めれば、応用は無限

王良璨の革新性は、ただの処方集ではなく、
**「基本を理解すれば応用が無限に広がる」**という体系を作り上げた点にあります。

たとえば、四君子湯や四物湯といった古典的処方を基礎に、
そこからさまざまな病態に合わせた派生処方を導き出しました。

中でも四物湯の応用例は圧巻で、
53種類もの派生方が示され、
一つの処方がいかに多様な症状に対応できるかを証明しています。


◆ 臨床重視の医学思想

王良璨の目的は、学問的体系化ではなく、
現場の医師がすぐ使える実践的指針を提供することでした。

そのため、彼の書は単なる方剤の羅列ではなく、
「症状に応じてどう変化させるか」という臨床の思考法が随所に記されています。

この発想は現代の漢方臨床にも通じ、
“応用力の育成”という点で、今も高い評価を受けています。


◆ 現代に生きる『小青囊』の智慧

『小青囊』は、漢方治療における方剤構成の原理と応用力を学ぶ上で欠かせない書です。
「多くを覚えるより、原点を深く理解する」――
その思想は400年を経た今も、臨床現場で息づいています。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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