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漢方偉人伝 陳司成(ちんしせい)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 陳司成(ちんしせい)」を公開しました!
【歴史探訪】梅毒治療の夜明けを切り開いた医師 ― 明代の陳司成と『霉瘡秘錄』
16世紀、中国にも深刻な感染症として梅毒が広まり、
当時の医師たちは治療法を見出せずにいました。
その中で、命を懸けてこの未知の病に挑んだ医師がいました。
明朝の医学者・陳司成(ちん しせい)です。

◆ 名門医家に生まれた天才臨床家
陳司成は浙江省海寧の出身で、八代続く医家の家系に生まれました。
幼少期から外科に秀で、臨床現場での観察眼は非常に鋭かったと伝えられています。
梅毒が流行病として恐れられていた16世紀、
彼は「この病は決して不治ではない」と信じ、研究を開始します。
◆ 世界初、砒素による梅毒治療法を確立
陳司成の最大の功績は、砒素を用いた梅毒治療法を世界で初めて体系化したことです。
1632年(崇禎5年)、彼はついにその成果をまとめた一巻の医学書
『霉瘡秘錄(ばいそうひろく)』を完成させました。
この書は中国最古の梅毒専門医書として知られ、
症状・感染経路・遺伝性について29例の症例とともに詳述されています。
◆ 「解毒・清熱・殺蟲」という治療の三原則
陳司成は梅毒治療の方針として、
1️⃣ 解毒(体内の毒を除く)
2️⃣ 清熱(炎症と熱を鎮める)
3️⃣ 殺蟲(病原を断つ)
という三原則を掲げました。
彼が開発した薬「生生乳」は、砒素と水銀を主成分とし、
感染の進行を抑える画期的な効果を発揮しました。
その臨床記録は現代の抗菌治療の原点ともいえる貴重な医学遺産です。
◆ 科学的観察と臨床重視の姿勢
陳司成は「病を恐れるのではなく、理解すべきもの」と考え、
患者の症状を詳細に記録しました。
その冷静な観察と実験的思考は、
中医学と西洋医学の橋渡しとも言える先見性を持っています。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


