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漢方偉人伝 傅仁宇(ふじんう)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 傅仁宇(ふじんう)」を公開しました!

【歴史探訪】明代に眼科医学の礎を築いた天才医師 ― 傅仁宇と『審視瑶函』

現代の眼科医療の基礎が、中国・明代の一人の医師によって築かれたことをご存知でしょうか。
その人物こそ、傅仁宇(ふ じんう)です。
彼は代々続く医師の家系に生まれ、眼科治療の名医としてその名を歴史に刻みました。


◆ 家族総出で完成させた画期的な眼科書

傅仁宇の最大の功績は、1644年に完成させた**『審視瑶函(しんしようかん)』です。
全6巻からなるこの書物は、当時としては最も体系的で充実した
眼科専門書**でした。

息子の傅国棟と娘婿の張文凱が編集を手伝い、
一家が一丸となって完成させた医学書としても知られています。


◆ 科学的で精密な眼科体系

『審視瑶函』は、古代中国の眼科理論と臨床経験を体系化した点で画期的でした。

  • 巻頭部では眼科理論の基礎である「五輪八廓学説」を解説。
  • 第1〜2巻では眼の構造や生理機能を詳述し、眼疾患の基本的な証治(診断・治療)を整理。
  • 第3〜6巻では108種類の眼病を症状別に分類し、
    内服・外用を合わせた300種類以上の治療法を紹介しています。

その内容は、まさに中医眼科の百科事典とも言えるものでした。


◆ 手術・衛生・処方 ― 現代にも通じる先見性

傅仁宇は古代の外科的治療法にも精通していました。
中でも注目すべきは、**「金針撥内障術」**という白内障の手術法を詳細に記録したことです。

さらに、手術器具を煮沸消毒する方法まで記述しており、
これは近代医学以前に衛生概念を導入した極めて先進的な試みでした。

また、彼が紹介した石斛夜光丸滋陰地黄丸などの処方は、
現在でも目の疲れや視力低下の治療に使われ続けています。


◆ 眼科医療の未来を照らした明の巨匠

傅仁宇の『審視瑶函』は、その後の中医学眼科の発展に多大な影響を与えました。
彼の理論と臨床法は清代以降の医家にも受け継がれ、
現代の眼科治療における“ルーツ”の一つとして評価されています。


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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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