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漢方偉人伝 蕭京(しょうけい)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 蕭京(しょうけい)」を公開しました!

幼少期の病をきっかけに医の道を志した明代の名医 ― 蕭京の生涯

中国明代の医学者、蕭京(しょうけい)は、幼少期の病気体験が後の医学への道を開くきっかけとなった人物です。
字は万輿(ばんよ)、号は通隠子といい、福建省晋江の出身でした。

幼い頃から体が弱く、夢遺という病に苦しんでいました。
多くの治療を受けても一向に良くならず、家族も心を痛めていたといいます。


名医との出会いが人生を変えた

その後、父親の仕事の関係で慈陽に移り住んだ蕭京は、
そこで黄州の名医・胡慎庵と運命的な出会いを果たします。

胡慎庵の診察を受けた結果、わずか三ヶ月で症状が大幅に改善。
この経験に深く感銘を受けた蕭京は、胡慎庵の弟子となり、本格的に医学を学ぶ決意を固めました。

師のもとで学びを重ねるうちに、医学理論と臨床技術を深く理解するようになり、
やがて故郷へ戻って独立。地域の人々を救う医師として活動を始めます。


医学の本質を追求した革新的な医師

蕭京は、当時の医者たちが表面的な対症療法ばかり行い、
病の根本原因を見極めない姿勢に強い疑問を抱きました。

そこで彼は、古典医学書を徹底的に研究し、
脈診の要旨を整理し直すとともに、薬草の性質を詳細に分類。
さらに「虚実」を正確に見極める診断法を確立し、
病気の根源にアプローチする新たな治療体系を築き上げました。

その臨床効果は驚くべきもので、多くの患者が劇的な回復を遂げたと伝えられています。


『軒岐救正論』の刊行と後世への影響

1644年、蕭京は自身の理論と経験をまとめた医学書『軒岐救正論(けんききゅうせいろん)』六巻を著しました。
この書は、病の原因と治療の原理を体系的に整理した画期的な医学書として高く評価されています。

蕭京の医学思想は「医は本を救うことにあり」という信念に貫かれており、
彼の臨床哲学は後世の医家にも大きな影響を与えました。


現代に受け継がれる「根本治療」の精神

蕭京が重視した「虚実の見極め」と「根本治療」の考え方は、
現代の漢方治療にも通じる普遍的な理念です。

症状だけでなく、体質や生活の背景にまで目を向け、
人全体を治すという姿勢は、時代を超えて私たちに多くの示唆を与えてくれます。


西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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