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漢方偉人伝 尤怡(ゆうい)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 尤怡(ゆうい)」を公開しました!
清朝の伝説医師・尤怡
貧困から医学界の巨星へと成り上がった99年の人生
はじめに
中国清朝時代の医学史において、尤怡(ゆう・い) の名は特別な輝きを放ちます。
貧しい家庭に生まれながらも、驚くべき医術と温厚な人格で多くの患者を救い、
99年もの長寿を全うした彼の人生は、まさに医学への情熱と献身そのものでした。

貧困の中でも学び続けた青年時代
尤怡は1650年、江蘇省にある非常に貧しい家庭に生まれました。
生活は厳しく、若い頃は寺院で書物を書き売りしながら生計を立てていました。
しかし、彼の心には常に「学びたい」という強い意志がありました。
どれほど苦しい環境であっても、その情熱が折れることはありませんでした。

名医・馬俶の目に留まる
転機となったのは、清朝を代表する名医 馬俶(ば・しゅく) に才能を見抜かれたことです。
馬俶の弟子として本格的に医学を学び始めた尤怡は、
やがて驚くべき治療効果を発揮するようになり、多くの患者の命を救いました。
治療を受けた人々はその回復の速さに驚き、
「奇跡の医師」と称えるほどだったと伝えられています。

名声より静かな暮らしを愛した人柄
医師として名声を得た後も、尤怡は決して驕らず、物静かで控えめなままでした。
富や名誉には全く興味を示さず、淡々と目の前の患者を救い続けたのです。
また、彼は詩・散文にも秀で、豊かな教養を持つ人物でした。
診療の合間には読書、花の世話、鶴の飼育、魚の観察など自然と向き合う時間を大切にしていました。
この穏やかで柔らかな人間性が、彼の医学にも深く反映されていたのでしょう。

多くの後世に残る名著
尤怡の医学思想は多くの著作に結実しました。代表作には以下のようなものがあります。
- 『傷寒貫珠集』
- 『金匱要略心典』
- 『医学読書記』
これらはいずれも複数巻からなる大作で、
後世の中国医師たちにとって欠かせない学習書として広く読み継がれています。

まとめ
貧困の中で学問を志し、大成した尤怡。
彼の医術には深い人間愛と探究心が息づいており、
その歩みは現代に生きる私たちにも大きな示唆を与えてくれます。
西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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