お知らせ
高血圧、湿疹の漢方症例
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「高血圧、湿疹の漢方症例」を公開しました!
高血圧と湿疹が同時に改善
69歳女性にみられた漢方治療の実例

高血圧と皮膚症状を同時に抱えた患者さん
今回ご紹介するのは、
高血圧と手足の湿疹という、一見すると別々に見える症状に悩まされていた
69歳女性の症例です。
血圧は 170/80 と高く、
同時に手足には発疹が繰り返し出現していました。
市販の漢方薬を試されたものの、
かえって血圧が上がってしまい、
その後は病院での治療も中止されている状態でした。

漢方的にみた「共通の原因」
漢方相談では、
高血圧と湿疹を別々の病気として扱うのではなく、
体全体の状態を丁寧に確認しました。
その結果、
この患者さんの場合、
高血圧と発疹の背景に共通する体質的な原因があると判断しました。
そこで選択したのは、
症状ごとに薬を増やす方法ではなく、
体質改善を目的とした漢方薬を1種類のみ用いる治療方針です。

服用開始後の経過と変化
服用21日目
服用から約3週間後、
血圧に明らかな変化が現れました。
- 朝の血圧:140前後
- 夜の血圧:150前後
さらに、
朝の血圧が130を下回る日も見られるようになりました。
同時期に、
手足の発疹も「3日前から明らかに良くなってきた」との報告がありました。

1か月半後
- 発疹はかなり落ち着いた状態に
- 血圧は調子の良い日で 150 → 130前後 まで低下
皮膚と血圧、両方に安定感が出始めました。

3か月後
- 発疹はほとんど出なくなる
- 血圧は
- 上:160 → 130前後
- 下:90 → 70前後
日常生活での不安が大きく減少しました。

6か月後
血圧は
120〜130台で安定する理想的な状態に。
体調全体も落ち着き、
ご本人の安心感がはっきりと感じられる時期となりました。

8か月後
血液検査を行ったところ、
コレステロール値の改善も確認されました。
ご本人が特別に意識して食事療法を変えたわけではなく、
体質改善が進んだ結果と考えられます。

この症例からわかること
この症例で特に重要なのは、
- 高血圧
- 湿疹
- コレステロール値
という複数の問題が、
1つの体質改善アプローチで同時に整っていった点です。
漢方では、
症状そのものを抑えるのではなく、
「なぜその症状が出ているのか」という
身体全体のバランスを重視します。
その結果、
一見関係のなさそうな症状が、
同時に改善していくことがあります。

まとめ
- 高血圧と湿疹が同時に改善
- 漢方薬は1種類のみ
- 体質改善により長期的な安定が得られた
- 血液検査データにも良い変化が現れた
この症例は、
**漢方治療の「根本から整える力」**を示す一例といえるでしょう。
漢方薬は体質に合って、はじめて効果を発揮します。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか、
漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


