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漢方偉人伝 呉儀洛(ごぎらく)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 呉儀洛(ごぎらく)」を公開しました!
呉儀洛と『本草従新』
18世紀中国で薬物学を実用医学へと進化させた本草学者

膨大な薬物知識を「使える医学」へ
18世紀の中国医学界において、
膨大に蓄積された薬物知識を、臨床で本当に使える形へ整理し直した医学者がいました。
その人物が
呉儀洛(ご・ぎらく)です。
字を 厳世、号を 惺斎 といい、
清代の本草学発展において、黄宮繡と並び称される重要人物です。
呉儀洛の代表作『本草従新』
『本草綱目』を臨床目線で再構築
呉儀洛の最大の功績は、
1757年に刊行された 『本草従新』全18巻 にあります。
この書物は、
明代の李時珍による大著『本草綱目』を基礎としていますが、
単なる要約や再編集ではありません。
- 当時の最新知見を加える
- 実際の臨床で使える情報を厳選する
- 不確かな記述を整理・修正する
こうした作業を通じて、
「読む本草」から「使う本草」へと大きく進化させました。

薬物の真偽と品質を重視した姿勢
『本草従新』の大きな特徴の一つが、
生薬の真偽や品質の優劣を厳格に区別した点です。
当時は、
- 同名異物
- 地域差による品質のばらつき
- 文献上の誤伝
が多く存在していました。
呉儀洛はこれらを放置せず、
実際に生薬を観察し、
文献を比較しながら
臨床医が誤らずに使える情報へと整理しました。

冬虫夏草・太子参を初めて本草書に収録
呉儀洛の功績として特筆すべき点に、
冬虫夏草や太子参を
初めて本草書に正式収録したことがあります。
現在ではよく知られたこれらの生薬も、
当時は十分に体系化されていませんでした。
彼はその薬性と臨床価値を評価し、
後世に残る形で記録したのです。

『成方切用』―処方選択の実用書
呉儀洛は薬物学だけでなく、
処方学の分野にも大きな足跡を残しています。
その代表が 『成方切用』 です。
この書物では、
- 多数の漢方処方を体系的に分類
- 各処方の構成理由を明確化
- 臨床での使い分けを簡潔に解説
しており、
処方選択の実用ガイドとして広く用いられました。

実用性と批判精神を併せ持つ医学姿勢
呉儀洛の医学スタイルは一貫していました。
- 古典を尊重する
- しかし盲信しない
- 実物を観察する
- 誤りは正す
という、
実用性と批判的精神を併せ持つ姿勢です。
その態度は、
単なる学者ではなく
臨床を強く意識した医学者であったことを物語っています。

日本漢方への影響と現代的意義
呉儀洛の著作は、
中国国内にとどまらず、
江戸時代の日本の本草学・漢方医学にも大きな影響を与えました。
現在でも、
漢方医学教育や本草学研究において
重要な参考文献として扱われています。

まとめ
- 『本草綱目』を実用医学へ昇華
- 生薬の真偽・品質を厳密に整理
- 新たな重要生薬を体系化
- 処方選択の実用書を残した
呉儀洛は、
本草学を「知識の集積」から「臨床の道具」へ変えた人物といえるでしょう。

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漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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