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漢方偉人伝 趙学敏(ちょうがくびん)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 趙学敏(ちょうがくびん)」を公開しました!
『本草綱目』に挑んだ男
― 趙学敏と『本草綱目拾遺』 ―
中国医学史において、
「完成された最高峰」とも言われる書物――
『本草綱目』。
その巨大な存在に、
あえて挑み、補い、発展させた人物 がいたことをご存じでしょうか。
その人物こそ、
清代の著名な薬学者 趙学敏(ちょうがくびん) です。

趙学敏とはどのような人物か
趙学敏は、清代に活躍した薬学者であり、
中国伝統医学の歴史において極めて重要な足跡を残しました。
彼は医学一家に生まれ、
単なる書斎派の学者ではなく、
- 自宅の庭で薬草を育て
- 実物を観察し
- 実際の使用法を検証する
という、実践重視の研究者 でした。
『本草綱目拾遺』という偉業
趙学敏の最大の功績は、
『本草綱目拾遺(ほんぞうこうもくしゅうい)』 の編纂です。
この書物は、
- 明代・李時珍の名著『本草綱目』を基礎に
- その不足を補い
- 誤りを正し
- 新たな薬物を追加した
いわば 「本草綱目の進化版」 とも言える存在です。
900種類以上の薬物を追加
『本草綱目拾遺』の最大の特徴は、
原著に載っていなかった900種類以上の薬物を新たに収録した 点にあります。
趙学敏は、
- 民間で実際に使われていた草薬
- 地方で伝承されてきた薬物
- 当時新たに知られるようになった素材
を丁寧に記録しました。
単なる机上の学問ではなく、
「現場で使われているかどうか」を重視した姿勢がうかがえます。
西洋薬「キニーネ」まで収録した先見性
特筆すべきは、
西洋から伝来した外来薬にも目を向けたこと です。
その代表例が キニーネ です。
当時の中国医学界では異例とも言える、
- 外来薬の正式な記録
- 効能や使用法の整理
を行いました。
これは、
中国薬学にとって 革命的なアップデート でした。
『串雅』― 民間医療への敬意
趙学敏は、もう一つ重要な著作
『串雅(かんが)』 も残しています。
これは、
- いわゆる「旅の医者」
- 民間を巡って治療を行っていた医師たち
が用いていた、
- 独自の治療法
- 薬の使い方
を体系的にまとめた書物です。
当時のエリート医師が見過ごしがちだった
民間の知恵 にも、彼は正面から向き合いました。
趙学敏が残したもの
趙学敏の功績は、
- 古典を尊重しながらも
- 新しい知識を柔軟に取り入れ
- 実践を何より重んじた
点にあります。
彼の探究心と実行力があったからこそ、
中国伝統薬学は次の時代へと進むことができました。
現代につながる姿勢
趙学敏の姿勢は、
現代の漢方・中医学にも通じます。
- 理論だけで終わらせない
- 現場で役立つかを考える
- 新しいものを排除しない
この柔軟さこそが、
医学を生きた学問として発展させる原動力なのです。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
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漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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