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漢方偉人伝 高秉鈞(こうへいきん)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 高秉鈞(こうへいきん)」を公開しました!
皮膚の病を「内側」から治した名医
清代外科を革新した高秉鈞の医学思想
皮膚の病は外側から治すもの。
そんな常識を覆し、体の内側から外科治療を変えた名医がいました。
その人物こそ、
清代中国で活躍した外科医 高秉鈞(こう へいきん) です。
彼の思想は、
現代の中医学や皮膚治療にも通じる、非常に先進的なものでした。

清代外科を代表する「三大家」の一人
高秉鈞は19世紀初頭に活躍した外科医で、
王洪緒、解佩啓と並び 清代外科の三大家 と称される存在です。

彼が創始した医学的立場は
「心得派」 と呼ばれ、
その思想は1805年刊行の代表作
『瘍科心得録』 に集約されています。

温病学を外科に取り入れた革新性
『瘍科心得録』の最大の特徴は、
当時まだ新しかった 温病学 の理論を、
外科治療に大胆に導入した点にあります。
高秉鈞は、
外科疾患の多くは 体内にこもった熱 が原因である
と考えました。
これは、
- 腫れ
- 化膿
- 赤み
- 痛み
といった外科症状を、
単なる局所の問題としてではなく、
全身の病理として捉える視点でした。

原因を体の位置から探る「三部弁証」
彼の理論の中でも特に有名なのが
三部弁証 という診断法です。
これは、
病変が現れた「場所」から体内の不調を推測する方法です。

高秉鈞は次のように考えました。
- 顔や頭部の病変
→ 風による熱が原因になりやすい - 胸や腹部の病変
→ 気の滞りが関与しやすい - 腰から下の病変
→ 湿気を帯びた熱が原因になりやすい



患部の位置を、
体内環境を映すサインとして読む発想は、
当時としては非常に画期的でした。
内外兼治という考え方
高秉鈞の医学思想の根幹にあるのが
内外兼治 です。
これは、
外科の病であっても
必ず体の内側に根本原因がある
という考え方です。
そのため彼は、
- 手術だけに頼らない
- 外用薬だけで終わらせない
という姿勢を貫きました。
漢方薬を用いて、
- 体内の熱を冷ます
- 毒を取り除く
- 巡りを整える
といった内科的治療を重視したのです。

偏らない柔軟な治療スタイル
当時の外科には、
- 温める治療を重視する派
- 手術中心の派
といった対立がありました。
しかし高秉鈞は、
どちらにも偏りませんでした。

患者一人ひとりの体質に応じて、
- 熱を冷ます
- 潤いを与える
- 巡りを整える
という柔軟な治療を行いました。
この考え方は、
現代医療における
「全身管理」「原因治療」にも通じています。

皮膚は体からのメッセージ
高秉鈞は、
皮膚の異常を単なる表面の問題とは考えませんでした。
皮膚は、
体の内側の状態を映し出すサイン。
その教えは、
200年以上経った今も色褪せていません。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
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漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。


