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漢方偉人伝 蒋宝素(しょうほうそ)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 蒋宝素(しょうほうそ)」を公開しました!

冬に隠れた寒さが春夏の病をつくる

清代名医・蒋宝素が打ち立てた「伏邪理論」

「冬は元気だったのに、春になって体調を崩す」
「夏に原因不明の熱や不調が出る」

こうした現象に、はっきりとした医学的説明を与えた人物がいます。
清朝時代の名医、**蒋宝素(しょう ほうそ)**です。

彼は、季節を超えて病気が発症する仕組みを解き明かし、
当時の医学界に大きな衝撃を与えました。


病気は「その季節」だけで起きるとは限らない

蒋宝素が提唱した最大の理論が、
**「伏邪(ふくじゃ)理論」**です。

これは、

  • 冬に体内へ入り込んだ寒邪が
  • そのまま体の奥に潜み
  • 春や夏になってから病として表に現れる

という考え方です。

つまり、
病気の原因と発症時期が一致しない
という視点を、医学として明確に示したのです。

この理論は、
寒さによる病と、熱による病を別物として扱ってきた
従来の医学の枠組みを大きく広げました。


冬の寒邪が、なぜ春夏に問題を起こすのか

冬に侵入した寒気は、
すぐに症状を出すとは限りません。

体力があるうちは抑え込まれ、
体の深部に「伏在」します。

しかし、

  • 春に陽気が立ち上がる
  • 夏に熱が強くなる

こうした季節の変化によって、
内部に潜んでいた寒邪が刺激され、
熱や炎症、慢性的な不調として表面化するのです。

これが蒋宝素の考えた
**「伏邪が発動するメカニズム」**でした。


三段階で考える治療体系

蒋宝素は、伏邪による病を
一律に治療することはしませんでした。

患者の状態に応じて、
次の三つの治療段階を使い分けたのです。

病勢が強い時期

病の力が強いときは、
原因そのものを徹底的に取り除く治療を行います。

ここでは迷わず、
邪を追い出すことを最優先にしました。

体力が落ちている時期

正気が弱っている場合には、
体力を補いながら邪を払う方法に切り替えます。

無理に攻めず、
回復力を守ることを重視しました。

回復期

症状が落ち着いた後は、
体の潤いと生命力を養い、
再発を防ぐ治療を行います。

「治ったあとこそが重要」
という視点が、すでに確立されていたのです。


『問斎医案』に凝縮された四十年の臨床

蒋宝素の医学思想は、
多くの著作に残されています。

中でも有名なのが、
**『問斎医案』**です。

これは四十年にわたる臨床経験をまとめた医案集で、
清代三大医案の一つに数えられています。

  • 昆虫を用いた独創的な処方
  • 急患を救うための具体的判断
  • 季節と体質を見極める視点

机上の理論ではなく、
「現場でどう治したか」が詰まった一冊です。


現代にも生きる蒋宝素の視点

蒋宝素の伏邪理論は、
現代の中医学においても非常に重要視されています。

  • 冬の冷えを軽視しない
  • 症状の出た季節だけで原因を判断しない
  • 体の奥に潜む要因を考える

これらは、
今なお第一線の医師たちが大切にしている視点です。


病気を「時間軸」で捉えるという発想

蒋宝素の知恵が教えてくれるのは、
病気を「今」だけで見るのではなく、
時間の流れの中で捉えることの大切さです。

冬の過ごし方が、
春や夏の健康を左右する。

その視点は、
現代を生きる私たちにとっても
非常に示唆に富んでいます。


西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか
漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
どうぞお一人で悩まずに、気軽にご相談ください。

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