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漢方偉人伝 柳宝詒(リュウホウイ)
「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 柳宝詒(リュウホウイ)」を公開しました!
病は「冬眠」するのか
柳宝詒が解き明かした伏邪理論の真実
あなたの体の中で、
病気が静かに「冬眠」し、忘れた頃に目覚めるかもしれない……
そんな話を聞いたら、にわかには信じがたいかもしれません。

しかし19世紀末、清朝末期に活躍した名医・柳宝詒(りゅう ほうい)は、
まさにこの現象を理論として体系化した人物でした。

柳宝詒とは何者か
柳宝詒は、名医を多数輩出した江蘇省江陰の出身です。
彼は生涯をかけて「見えない敵」と戦い続けました。
その敵とは、「伏邪(ふくじゃ)」。
字の通り「潜伏した邪気」を意味します。
表面には症状が現れていないにもかかわらず、
体内にひそみ、発症の機会を待っている存在です。

冬に受けたダメージが春に爆発する
柳宝詒が明らかにしたのは、次のような仕組みでした。
冬の寒さとともに体内へ侵入した邪気は、
すぐには発症せず、体の奥に潜伏する。
そして春になり、気候が変化し体内の陽気が動き始めると、
それが一気に「温病(うんびょう)」として表面化する。
つまり、冬に受けたダメージが
時限爆弾のように潜み、季節の変化とともに牙をむくという考え方です。
この視点は、当時の医学界に大きな衝撃を与えました。

伏邪への対処法とは
では、潜伏した邪気にはどう向き合うべきなのでしょうか。
柳宝詒は、病が体の深部から外へと出ようとする「動き」を重視しました。
単に熱を冷ますだけではなく、
体内に潜む邪気を適切なルートで外へ導くこと。

そのために彼が用いたのが、
「黄芩湯(おうごんとう)」などの処方です。
邪を無理に抑え込むのではなく、
自然な排出を助ける。
ここに彼の治療思想の核心があります。

『温熱逢源』という集大成
柳宝詒の理論は、代表作『温熱逢源(おんねつほうげん)』にまとめられました。
この書は伏邪理論の集大成であり、
現在でも中医学を学ぶ者にとって重要な古典とされています。
目に見える症状だけを追うのではなく、
その背後にある「過去の侵襲」まで見抜く視点。
それこそが柳宝詒の医学の真価でした。

過去の体験は体に刻まれる
私たちの体は、過去に受けた寒さや疲労、
感染症などの影響を完全に忘れるわけではありません。
表面上は治ったように見えても、
深層に痕跡を残していることがあります。
柳宝詒の伏邪理論は、
「なぜ季節の変わり目に体調を崩すのか」という疑問にも
一つの答えを与えてくれます。
100年以上経った今もなお、
彼の視点は現代の健康管理に多くの示唆を与えています。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
自分の症状にどのような漢方薬が合っているか漢方の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー
西 智彦(臨床歴20年)
鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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