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漢方偉人伝 大国主命(おおなむち)

「西漢方薬店 漢方チャンネル」に「漢方偉人伝 大国主命(おおなむち)」を公開しました!

日本最古の医療者は神様だった?――大国主命が「医療の神」と呼ばれる理由

日本最古のお医者さんが、もし神話に登場する神様だったとしたら驚かれるかもしれません。

実は、日本神話に登場する大国主命(おおくにぬしのみこと)は、古くから医療や病気平癒と深い関わりを持つ神として信仰されてきました。

今回は、大国主命がなぜ「医療の神様」と呼ばれるのか、その理由をわかりやすく解説します。

大国主命が医療の神とされる理由

大国主命が医療の神として語られる最大の理由は、よく知られた神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」にあります。

この神話では、白兎が海の生き物にだまされて皮をはがされ、ひどい苦しみを受けてしまいます。
そこへ現れた大国主命は、傷ついた白兎に対して、具体的な治療法を教えたとされています。

それが、

  • 真水で体を洗い清める
  • 蒲の穂(または花粉)の上で休ませる

という方法でした。『古事記』に登場するこのエピソードは、日本最古級の「治療」の描写としてよく知られています。

神話に登場する「蒲黄」は、実際の生薬でもある

この神話の中で登場する蒲(がま)は、東洋医学や漢方の世界でもなじみ深い植物です。

とくにその花粉は「蒲黄(ほおう)」と呼ばれ、古くから生薬として用いられてきました。
一般に、止血や痛みのケアに用いられることがある生薬として知られています。

そのため、「因幡の白兎」の物語は単なる神話ではなく、自然の中にある薬効への気づきが込められた象徴的な話として読むこともできます。

つまりこの神話は、日本人の中に古くからあった“癒やし”や“治療”の感覚を今に伝えるものともいえるでしょう。

少彦名命とともに「医療の知恵」を広めた存在

大国主命は、神話の中で少彦名命(すくなひこなのみこと)とともに国造りを進めた神としても知られています。

少彦名命は、知恵・薬・医療・酒造などとも関わる神として伝えられており、
大国主命と協力して、病気の治療法や薬の知識を人々に広めた存在と考えられてきました。

この二柱の神は、日本における医療・薬学・養生の原点のような存在として、今でも多くの神社で信仰されています。

温泉や“まじない”も、古代の癒やしの一部だった

大国主命と少彦名命は、単に薬だけでなく、人を癒やすさまざまな方法とも結びつけて語られています。

たとえば古代には、

  • 温泉による湯治
  • 祈りやまじない
  • 自然の力を活かした療法

なども、人々の健康を支える大切な手段でした。

現代のように医療が高度に分化していなかった時代には、
体だけでなく心も含めて整えることが、治療や養生の中心にあったのです。

その意味で大国主命は、単なる「病気を治す神」ではなく、
人の暮らし全体を整え、健やかにする神として受け止められてきたともいえるでしょう。

今も「病気平癒」の神として信仰されている

こうした背景から、大国主命を祀る神社は、現在でも病気平癒や健康祈願で広く知られています。

たとえば、奈良県の 大神神社 は大国主神と深い関わりを持つ神社として古くから信仰され、今も健康や無病息災を願う参拝者が多く訪れています。公式案内でも健康祈願や無病息災に関する神事・授与品が案内されています。

また、東京の 上野五條天神社 も、医薬祖神への信仰で知られ、医療や薬に関わる人々の信仰を集めてきた神社のひとつです。

こうした神社に、現在でも製薬会社や医療関係者が参拝することがあるのは、
日本における「医療」と「祈り」のつながりが、今もなお生きている証ともいえるでしょう。

まとめ

大国主命が「医療の神様」と呼ばれるのは、
神話「因幡の白兎」において、傷ついた存在に対して具体的な治療法を示したという物語に由来しています。

さらに少彦名命とともに、薬や治療、養生の知恵を広めた存在としても語られ、
日本における医療の原点を象徴する神として信仰されてきました。

現代の医療とは形こそ異なりますが、
「人を癒やしたい」「苦しみを和らげたい」という思いは、昔も今も変わりません。

大国主命の物語は、日本人の中に古くから息づいてきた**“癒やしの心”**を今に伝えてくれているのかもしれません。

西漢方薬店ではオンラインでの漢方相談をおこなっております。
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この記事を書いた人

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 西 智彦(臨床歴20年)

西漢方薬店 漢方処方アドバイザー 
西 智彦(臨床歴20年)

鍼灸師、マッサージ師の国家資格と医薬品登録販売者の資格を持ち、学術発表症例発表実績として第24回経絡治療学会学術大会東京大会『肝虚寒証の症例腰痛症』等、また伝統漢方研究会会員論文集の学術論文からメディア取材まで幅広い実績もあります。
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